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2025年6月のBon Quish LETTER

2025.07.01

 みなさまこんにちは!お魚料理のオンラインレストランBon Quish(ボンキッシュ)商品開発担当の春山です。

 地域によっては梅雨入りしていると思いますが、みなさまいかがお過ごしですか?亜熱帯気候の日本ならではの梅雨、最近はゲリラ豪雨や線状降水帯という新しい気象用語が飛び交うくらい日本のお天気が変化していますが、もともと雨は恵みの雨。お魚の視点に立つと、山に降った雨のおかげで栄養分が川を伝って海へ流れるので、お魚たちにとっても雨は大切なんです。日本にはたくさんのお魚が揚がりますが、これは日本の地形と雨が大きく関連していると考えると、雨もほどほどであればありがたいですね。

今月の新商品について

 まず初めに今月の新商品の一押しは、洋食・藤井シェフ考案『ボンキッシュのシーフードカレー』です!
 2024年9月まで販売していた旧定期便(8品お任せセット)や、J-WAVE主催イベントでも販売したことがあるこのオリジナルカレー、以前お客さまから『シーフードカレーを作ってほしい!』とお声をいただいたことがきっかけで、藤井シェフへ開発をお願いしたメニューです。過去大人気だったので、この度復刻版としてラインナップにお目見えすることになりました。
 藤井シェフに、『お客さまからカレー食べたいとオーダー来たので作ってください!』とお願いしたところ、夏にさっぱりとお召し上がりいただけるよう、定番の欧風カレーではなく、トマトの酸味と野菜の甘味を感じながらもスパイスの刺激が癖になる逸品に仕上げていただけました。よく冷やしたビールとの相性も抜群です(試作会でいただいた時、ビールを買ってこようかと本気で思ったくらいでした(笑))。初めての方も、食べたことがある方も、ぜひこの機会にお召し上がりください!

三重県南部の事業者さま訪問レポート

 さて今月のトピックスは、4月に訪問した三重県南部の事業者さま訪問レポートをお届けします!
 三重県では、磯焼け(藻場=海藻の集落が食害により減少し、結果海産物も減少する事象)の原因となっている『アイゴ』の漁獲を増やし、磯焼けを防止する取組を進めています。このアイゴをボンキッシュで活用できる方法はないか、三重県庁さまからご相談をいただきまして、それならぜひ現地を見に行こうとなり訪問しました。

 訪問レポートを書く前に、まずはアイゴってなんぞや?からご紹介。私も初めて知ったのですが、アイゴは日本列島を含む西太平洋の暖海域沿岸に生息する植食性魚類(つまり草食)で、四国・九州・沖縄では市場でも流通するそう。徳島県や和歌山県などでは美味しい魚として珍重されている他、沖縄料理の『スクガラス』は、アイゴ類の稚魚を塩辛にしています。東京出身の私には縁遠いわけだ。。。ちなみに海外だと、香港では岸釣りの定番の魚『ナイマーン』として知られ、スープの具に用いられるそうです。

 草食のアイゴが好む餌は、海藻。以前から三重県沿岸にもアイゴは生息していたのですが、温暖化による海水温上昇でアイゴが活発に動くようになり、海藻をたくさん食べるようになったとのこと(えーっ!)。魚食普及推進センターのデータによると、アイゴが海藻を食べる量は、1日アイゴ1kg当たり、海水温15℃で海藻10g→17℃で50g→20℃で90g(!!)、なんと海水温が5℃上昇すると、9倍もの海藻を食べてしまうそうですΣ( ̄ロ ̄lll)ガーン  それは磯焼けにもなるわけだ。。。

 アイゴが悪いわけではないのですが、他の魚の生育の場が失われることはもちろんのこと、海中酸素供給や水質浄化機能まで失われ、やせた海になってしまうことから、なんとかアイゴ漁獲を促進したいとのこと。食べる環境対策とはまさにこのことですね。

口先がかわいいですね♪ちなみに棘に毒があるので、捌く時は要注意。(出典:Wikipedia)

 それでは訪問レポートスタート!
 三重県農林水産部フードイノベーション課のみなさまと近鉄伊勢中川駅で待ち合わせし、まずは株式会社南勢(なんせい)水産さまへお邪魔しました。

株式会社南勢(なんせい)水産さま

伊勢中川駅から車で約1時間、三重県度会郡南伊勢町までやってきました。なんと閉校した旧・南海小学校の建屋を活用!工場は旧給食調理室、オフィスは旧コミュニティホールを使っており、木のしつらえが優しい空間でした。

 ご対応いただいたのは、20代の超若手のお二人。地元の方かと思いきや、ご出身は東京都と北海道とのこと(!)。北海道にある大学の生物学部の仲間だそうで、それぞれ卒業後別業種に就職したものの、当時の仕事で関わりがあった南伊勢の海の魅力に惹かれ、Iターンで南勢水産に転職したとのこと。すごい!お二人とも北海道の冬を知っているため、温暖な気候が嬉しい反面、夏の暑さは耐え難いそうで、夏だけは北海道へ行きたいとおっしゃっていました(笑)

 こちらではアイゴのフィレとつみれを製造しており、特につみれはローズマリーと生姜を入れているためフレンチにピッタリとのこと。商品を拝見しましたが、しっかりと丁寧に作られており、今後ボンキッシュで活用できないか検討することになりました。

 ちなみにアイゴは草食特有の臭みがあるそうで、ハーブやレモンなどで臭みを押さえさえすれば上品な白身の肉質が味わえるそうです。これからの商品開発にご期待ください!

フィーレ。丁寧に捌いてあるので、香草パン粉焼きにしたらおいしそう
つみれ。スープはもちろん、グラタンにしてもいいそうです。


ランチ@プティレストラン宮本

 南勢水産さまのあと、ランチで『プティレストラン宮本』に寄りました。ぱっと見あまり目立たない建物なのですが、中に入ると満席!それもそのはず、ここは志摩観光ホテル(@三重県志摩市賢島。第42回先進国首脳会議=通称伊勢志摩サミット の会場)のレストラン料理長を歴任したシェフが開業した『まちの洋食屋さん』。大人気のレストランで、週末はかなり込み合うそうです。一番のオススメは、志摩観光ホテル名物のシーフードカレーがそのまま味わえる『海鮮グルメカレー』。単品だと2,800円もするリッチなカレーなのですが、なんとランチセットを頼むと、1,580円でシーフードカレー+エビフライ+豚の生姜焼きのセットランチに!(※平日限定)。しかも食後のケーキとコーヒーまで。。。あまりに美味しさに全員黙々と食べてしまいました。

 伊勢志摩方面へお出かけの際、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。なんとTV番組『マツコの知らない世界』でも紹介されたそうです。(後から知りました。苦笑。。。)
 コスパ良すぎるリッチなランチを堪能後、次の目的地、(有)伊勢志摩冷凍さまへお邪魔しました。

店先にかわいらしいお花が植えられていました
もう絶品すぎて言葉になりません。

プティレストラン宮本 
 住所:三重県志摩市阿児町鵜方3127-2 ボナール館1階 
 電話:0599-43-5395
 営業時間:11:30~13:40(L.O.)、17:00~19:00(L.O)
 定休日:月曜日・火曜日(祝日は営業)

有限会社 伊勢志摩冷凍さま

 プティレストラン宮本さまから移動すること車で20分。同じ阿児町にあるこちらの会社さまは4代続く冷凍倉庫業なのですが、10年ほど前から地元ではあまりなじみのない魚が獲れはじめ、漁師さんから獲れた魚を何とかしてほしいという相談が相次ぎ、厨房を設置、地域の課題を解決しながら魚食文化を継続させることをポリシーに様々な商品を作っているそうです。

 地元で獲れた魚を丁寧に手さばきし、フライやお刺身加工、各種お惣菜を作るほか、いちごジャムまで!幅広い商品を製造しています。

 アイゴの件で訪問したものの、色々と話を伺ってみたら、地元では毎年大きなアジの行き場に困っているとのこと。大きすぎると市場では売れないそうなのですが、ボンキッシュではフライやソテーなどサイズが大きいほうが使い勝手がいいので、ある程度量があれば是非とお願いしてきました!他にも、秋から冬にかけて獲れる『赤カマス』が有名だそう。地元では酢と塩で〆て押し寿司にするのが定番とのこと。かなりサイズが大きく、小さいカマスのような小骨は気にならないとのこと。ボンキッシュでも〆カマスを出してみたいなと思っています。

 続いて車で移動すること1時間弱。本日のゴール、鳥羽市にあるこちらの会社さまを訪問しました。

有限会社 丸善水産さま

 到着したら、たくさん連なる牡蠣小屋(=とれたての牡蠣を焼いて食べるお店)が!ここは牡蠣の養殖地として有名だそうで、丸善水産さまも牡蠣小屋を運営されており、週末は牡蠣を求めて大勢の方が訪れるとのこと(予約必須と言われました)。ちょうど商談中に海に沈む夕日がきれいに見え、商談しに来たのに景色にすっかり癒されてしまいました(笑)

 商談はこの牡蠣小屋の中で。こちらは親子で牡蠣の養殖と牡蠣小屋を運営される他、水産惣菜商品も製造。牡蠣のしぐれ煮や牡蠣カレーなどの牡蠣商品の他、アイゴや白身魚のフライや煮付けなどを製造されています。せっかくなのでと調理工場内もご案内いただいたのですが、かなりハイスペックなイタリア製業務用スチームコンベクションがありびっくり!しかも、専用燻製機器を取り付ければ、簡単に燻製商品ができるスグレモノ。実は道中でアイゴは燻製にしたら美味しいのではとスタッフで話をしていたのですが、実現できそうな会社さまが目の前に現れて一同びっくりでした。専用機器をイタリアから取り寄せる必要があるそうで、少し時間はかかるのですが、今後燻製商品をお願いすることができるかもしれません。

 このように、アイゴをきっかけに様々な魚に出会うことができたのはもちろんのこと、水産業振興に一途に取り組む事業者さまとお会いすることができ、ボンキッシュでもより多くのみなさまに、美味しいお魚料理をお召し上がりいただけるよう努力したいと思えた三重県訪問でした。少し時間はかかりますが、アイゴ含め、ボンキッシュでも新たなメニューラインナップに加えていく予定です。どうか楽しみにお待ちください!

牡蠣小屋外観。本当に海に浮かんでます!
牡蠣小屋の中。たまに波で揺れます(笑)
素晴らしい夕日でした。

ボンキッシュ人気メニューランキング(2025年4月分)

第1位 熊本県産 芝海老入り蓮餅の揚げだし<和食>☆4月新作
第2位 福島県産 ヤリイカのガーリックオイル炒め バジル風味<洋食>☆4月新作
第3位 香川県産 讃岐さーもんの蒸し煮と春キャベツのプレゼ<洋食>
第4位 大分県産 津久見ぶりチャーシュー<中華>☆4月新作
第5位 島根県産 シロイカと北海道産ホタテのピザ<洋食>
第5位 大分県産 津久見ぶりのソテー トマトソースリゾット<洋食>☆3月新作

 なんとなんと!ご注文別ランキングを始めて以来、和食が初めて第1位を取りました!しかもダントツ!!近藤シェフが泣いて喜びます。4月のボンキッシュレターでも解説しましたが、蓮根のすりおろしとみじん切りをミックスしているので、モチモチした食感と蓮根の歯ごたえが同時に楽しめるお料理ですね。実は一緒に入れている芝海老は、国産にこだわるが故、1尾ずつ丁寧に殻剥きしているんです。巷で売っているむきエビのほとんどは海外産で、国産は恐ろしく高いためボンキッシュでは使えず・・・(泣)。文字通り手間暇かけた逸品、まだの方はぜひこの機会にお楽しみくださいね。優しい飲み口の冷酒が本当によく合います。
 第2位は藤井シェフの4月新作メニューがランクイン。ボンキッシュではおなじみとなった福島県産の上質なヤリイカを彩り豊かに仕上げた逸品。4月販売開始なので春らしく仕上げたいと、単なるガーリックオイル炒めではなく、バジルソースとドライトマトで香りと彩りを加えているのがポイント。ついついバゲットが進んでしまいますね。
 第3位はこちらも藤井シェフのメニューが登場。これは旧定期便の復刻版でして、以前よりサーモンのサイズを大きくし、1皿でご満足いくお料理に仕上げました。濃厚な味わいが楽しめる讃岐さーもんと春キャベツのマリアージュが本当に絶品。見た目も上品で、これぞザ・フレンチな逸品でした。こちらは季節限定販売の予定なので、まだの方、お早めにどうぞ♪ちなみにこの讃岐さーもんは、今後『オリーブサーモン』としてリニューアルします。なんでも餌にオリーブの粉末を入れているそうで、さらに味わい深くなるとのこと。オリーブサーモンに切り替える際には改めてご案内しますね。
 一つ飛ばして、第5位のピザもたくさんお召し上がりいただけてうれしいです(^^♪単なるシーフードピザではつまらないなと思い、島根県名産シロイカと北海道産ホタテをホワイトソースで組み合わせています。今回ランクインしていますが、3月までもコンスタントにお召し上がりいただいているので、この度ピザ新作を2種類ご用意しました!!一つは『香川県産オリーブサーモンのマルゲリータ』、もう一つは『島根県大田市産 天然大あなごのカレーピザ』です!5月15日にリリースしているので、早速6月分でご注文された方もいらっしゃるでしょうか。こちらもぜひお楽しみくださいね。

来月の新作について

 最後に来月のイチオシメニューをご紹介。中国料理シャウ・ウェイシェフの逸品『静岡県産 ビンチョウマグロとエリンギのカシューナッツ炒め』です!鶏肉が定番のカシューナッツ炒め、実はお魚でも美味しくいただけるんです。ぜひお楽しみに!


 それでは今月も最後までお読みいただきありがとうございました!
 来月もボンキッシュレターでお目にかかることを楽しみにしています♪

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