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有馬煮とは?|山椒が香る、日本の“粋”を味わう伝統料理【旅する食文化】

2025.10.17

「有馬煮(ありまに)」は、魚や肉を山椒を効かせて甘辛く煮る日本料理の一つ。名前の由来は、兵庫県・有馬温泉の名産「有馬山椒」から来ています。
山椒のさわやかな香りとピリッとした辛みが特徴で、素材の旨みを引き締め、後味に清々しい余韻を残します。

古くは江戸時代から親しまれてきた味。保存性を高めるために山椒を使い、魚の煮付けや牛肉のしぐれ煮などに応用されてきました。まさに、日本人の知恵と風味の美学が詰まった伝統の煮物です。

山椒の香りが主役──「有馬煮」の魅力をひもとく

有馬煮を語るうえで欠かせないのが「山椒」。
山椒の粒は、熟す前に収穫された青山椒と、完熟して乾燥させた実山椒に分かれます。有馬煮に使われるのは、香りが強く上品な辛みをもつ有馬山椒

その香気成分「サンショオール」は、舌にピリッとした刺激を与えながらも、清涼感をもたらします。脂ののった魚や肉と組み合わせることで、重さを感じさせない味わいに。
つまり、有馬煮は“山椒で整える料理”ともいえるのです。

有馬煮の歴史と名前の由来

「有馬煮」という呼び名が広まったのは、江戸時代中期といわれます。
当時の有馬温泉周辺では、香り高い山椒が名産品として知られており、土産として全国に流通しました。その山椒を使った煮付けが評判となり、「有馬煮」と呼ばれるようになったのです。

一方で、有馬山椒の栽培地である神戸市北区の有馬町では、今も伝統的な手摘みの収穫が続いています。こうした背景を知ると、有馬煮が単なる料理ではなく、地域の風土と人の営みが生んだ文化的な味だとわかります。

真鯛の有馬煮──海と山の出会いを味わう

ボンキッシュでは、身が厚く上品な甘みが特徴の長崎県産真鯛を、兵庫県の伝統料理「有馬煮」に仕立てました。本来は鮎や鰻を用いることが多い有馬煮を、近藤シェフがボンキッシュのために特別に真鯛でアレンジ。真鯛の弾力と旨味に、しょうがの爽やかさと有馬山椒の清々しい香りを添えて仕上げました。

炊き立てのご飯にはもちろん、冷酒とも相性抜群。ご家庭で伝統と洗練が調和した味わいをお楽しみください。

長崎県産 真鯛の有馬煮

山椒の奥深さを少しだけ知ると、料理がもっと楽しくなる

・山椒の若芽(木の芽)は、春の香味として「木の芽味噌」や「田楽」に使われます。
・実山椒は6月頃が旬で、醤油煮やちりめん山椒に。
・乾燥させた粉山椒は、うなぎの蒲焼きや汁物に。

同じ植物でも、時期と使い方によって全く異なる香りを放つのが山椒の魅力。
有馬煮を味わうときは、山椒の「香り」と「しびれ」のバランスを感じ取ってみるのもおすすめです。


有馬煮をこのお料理で初めて知ったという方もおられるかもしれませんね!ボンキッシュは、そんな“知らなかった味”をご家庭にお届けします。食材の魅力とともに、新しい料理との出会いをぜひ楽しんでください。


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