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和洋中のおかゆ文化|違いを知るともっとおいしい“食の教養”

2025.12.03

おかゆとひと言でいっても、その姿は国によってまったく異なります。日本・中国・欧米では、味つけ、食材、食べるシーンまでもが大きく違い、その背景には長い食文化の積み重ねがあります。

ここでは、ボンキッシュが和洋中の魚料理を届けていることにも重ねながら、和・洋・中それぞれのおかゆ文化を丁寧に紐解いていきます。

和・洋・中のおかゆはどう違う?まずは“基本スタイル”から比較

和(日本):素材のやさしさを味わう“水の料理”

日本のおかゆは、水と米だけの極めてシンプルな料理です。味つけは塩が中心で、出汁を使う場合も繊細さを大切にします。食べられる場面としては、病気のときや体調を整えたいとき、七草粥など年中行事などが代表的です。さらりとした水分の多い仕上がりで、消化にやさしく、梅干しや海苔、浅漬けなどの控えめな添え物がほんのりと風味を添えます。

日本のおかゆには「余計なものを足さず、素材のまま整える」という、美意識のような静けさが宿っています。

中(中国):具材のうま味を重ねる“食べるおかゆ”

中国の粥(ジョウ)は、日常食として親しまれる“主食”の一つです。鶏や豚、干し貝柱などの乾物でだしをとり、豊富な具材を組み合わせることで、満足感のある味わいに仕上がります。特に朝食の定番として根づいており、町中には粥を提供する専門店が数多く並びます。

粥の風味は生姜やごま油が香り立ち、力強い旨味と食欲をそそる香りが特徴です。油条(揚げパン)を浸しながら食べたり、ピータンや干し貝柱をトッピングしたり、多彩な具材との組み合わせが楽しめるのも魅力です。

中国のおかゆは、「滋養と満足感を一皿で届ける」という発想のもと発展してきた食文化の象徴といえます。

洋(欧米):穀物と乳製品でつくる“朝のエネルギー食”

欧米のポリッジ(porridge)は、オートミールや雑穀をミルクや水で煮てつくります。朝食として根づいた文化で、果物やナッツ、蜂蜜などを加えた甘いタイプと、チーズや塩を加えた食事系のタイプの両方が一般的です。

穀物がもつ香ばしさとミルクのやわらかな甘みが合わさり、栄養価と満足感の高さから「一日の始まりのエネルギー食」として親しまれています。乳製品を多く使う食文化と相性がよく、バターやヨーグルトを添えることでコクが増し、さまざまな工夫がしやすいことも特徴です。

和洋中の違いはどこから生まれた?背景を読み解く

和・洋・中のおかゆ文化の違いを眺めてみると、それぞれの国がもつ気候や食材の歴史がそのまま料理に反映されていることがわかります。日本は湿度が高く水文化が根付いているため、水で炊き上げるシンプルなおかゆが発展しました。中国では古くから乾物や肉を使った豊かな出汁文化があり、旨味を重ねる粥が主食として成長しました。一方、欧米では乳製品と穀物が食生活の中心にあるため、ミルク粥ともいえるポリッジが朝食に定着しました。

また、それぞれのおかゆに対する“位置づけ”も異なります。日本では体を整えるための「養生食」のイメージが強く、中国では外食文化の中で日常の主食として親しまれ、欧米では栄養を補う朝のエネルギー源としての役割が大きいのが特徴です。
味づくりの思想にも違いがあり、日本は素材を活かす「引き算の味」、中国は旨味を積み重ねる「足し算の料理」、欧米は穀物と乳を組み合わせた「栄養と満足感の融合」という方向性を持っています。

和洋中のおかゆをもっと楽しむ!食べ比べの視点

日本のおかゆは塩だけで米の香りを楽しむ静けさがあり、体にすっと入る軽やかさが持ち味です。中華粥はだしの力強さと具材の旨味がしっかり感じられ、食感のコントラストも楽しめます。洋のポリッジはフルーツで甘く、チーズで塩味に、とアレンジの幅が広く、穀物の香ばしさと乳製品のコクが魅力です。

同じ「やさしい食べ物」でありながら、和・洋・中それぞれの方向性は驚くほど違います。食べ比べると、その違いがはっきりと伝わってきます。

ボンキッシュで味わう、豪華な中華粥

ボンキッシュの贅沢海鮮中華粥

和・洋・中それぞれの食文化が映し出すおかゆの世界。

その中でも【ボンキッシュの贅沢海鮮中華粥】は、ホタテやズワイガニ、芝エビなど海の旨味を贅沢に閉じ込めた、シャウ・ウェイシェフ特製の逸品。芝エビの頭からとった濃厚なだしが、ひと口ごとに深い旨味を広げます。中華粥の定番ジャスミン米に白米をブレンドし、日本人の口に合うように仕上げました。とろりとした粥の中に、食べ応えのあるホタテやズワイガニ、刻んだセロリの食感が絶妙なアクセントを添えます。やさしくも贅沢な味わいは、スペイン産白ワイン「アルバリーニョ」とのマリアージュがおすすめです。


和の「整える」、洋の「満たす」、中の「うま味を重ねる」。三つの文化を比べることで、日常の食卓が少し豊かに、そしてちょっと楽しく見えてくるはずです。寒い時期に嬉しい、あたたかなおかゆ。世界各地のおかゆを楽しんでみてはいかがでしょうか。


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