Topics トピックス
知ってる?身近な魚、サバ|種類・旬・栄養・おいしく安全に食べるための基礎知識
サバは、日本の食卓にもっとも身近な魚のひとつです。「サバを読む」という慣用句もあることも、身近さゆえ。塩焼きや味噌煮、シメサバなど、家庭料理から外食まで幅広く親しまれている一方で、「傷みやすい」「下処理が難しそう」「生で食べるのは不安」といったイメージを持つ人も少なくありません。
この背景には、サバという魚の性質や、流通・保存の特徴が大きく関係しています。
この記事では、サバの種類や旬、栄養といった基本情報から、なぜ傷みやすいと言われるのか、家庭でおいしく安全に楽しむために知っておきたいポイントまでを、写真がなくても理解できるように整理していきます。
サバを「なんとなく使う魚」から、「理由を知って選べる魚」へ。そんな視点で読み進めてみてください。
サバとはどんな魚?
サバはスズキ目サバ科に属する回遊魚で、日本近海を含む広い海域に分布しています。常に泳ぎ続ける性質を持ち、季節や水温の変化に応じて群れで移動するため、漁獲される時期や海域によって身質や脂ののりに違いが出やすい魚でもあります。
日本で食用として流通しているサバの多くは、沿岸から沖合で水揚げされたものです。漁獲量が多く、比較的手に入りやすいことから、古くから庶民の魚として親しまれてきました。一方で、鮮度の変化が早い魚でもあり、扱い方には独特の注意点があります。
マサバとゴマサバの違い
一般的に「サバ」と呼ばれている魚には、主にマサバとゴマサバの2種類があります。見た目はよく似ていますが、体の模様や身質、味わいにははっきりとした違いがあります。
マサバは、体側に比較的はっきりした縞模様があり、全体に丸みを帯びた体型をしています。脂がのりやすく、旬の時期には身がしっとりとして、コクのある味わいになるのが特徴です。刺身や締めサバ、焼き物など、幅広い料理に向いています。
一方のゴマサバは、体側に小さな斑点が散らばるように見えるのが特徴です。マサバに比べると身はややあっさりとしており、加熱調理に向いています。味噌煮や塩焼きなど、火を通す料理で持ち味を発揮します。

サバはなぜ「傷みやすい」と言われるの?
サバが傷みやすいと言われる理由は、魚の性質そのものにあります。サバは血合いの割合が多く、筋肉中に含まれる酵素の働きによって、時間が経つと自己消化が進みやすい魚です。そのため、漁獲後に適切な処理がされないと、身質が急激に劣化してしまいます。
また、内臓の影響を受けやすい点も特徴です。内臓が傷つくと、そこから腐敗が進みやすく、臭みや食感の悪化につながります。このため、サバは「できるだけ早く内臓を取り除く」「低温で管理する」といった扱いが重要になります。
近年では、冷凍技術や流通管理の進歩によって、鮮度を保った状態で家庭に届くサバも増えてきましたが、魚の性質自体が変わったわけではありません。だからこそ、基本的な特徴を理解しておくことが大切です。
「サバを読む」は、なぜサバなの?
耳にすることも多い、「サバを読む」という慣用句。現在では、「都合のいいように数をごまかす」といった意味で使われることが多い表現ですが、江戸時代にはすでに用いられていたとも言われています。
なぜ数をごまかす表現に、サバが使われるようになったのか。その理由のひとつとして知られているのが、「サバは傷みやすい魚だったから」という説です。
冷凍技術が進んでなかった頃は、鮮度が落ちやすく、魚市場では傷まないうちに急いで数を数えて取引されていました。大量に扱われる中で数え間違いが起こりやすかったことから、「いい加減に数を数えること」を指して『サバを読む』という言い方が生まれ、やがて年齢や数量をごまかす意味へと転じた、という説があります。
由来については諸説ありますが、サバの傷みやすさと扱いの難しさが、この言葉の背景に関わっている点は共通しています。
新鮮なサバの選び方
店頭でサバを選ぶ際には、いくつかのポイントを意識することで、鮮度の良いものを見分けやすくなります。丸ごとのサバであれば、目が澄んでいて張りがあり、体表に自然なつやがあるものが良い状態とされています。指で触れたときに身がふっくらとして弾力があり、表面のぬめりが過剰でないことも目安になります。
切り身の場合は、身の色が均一で、血合い部分がくすんでいないかを確認すると安心です。ドリップと呼ばれる水分が多く出ているものは、鮮度が落ちている可能性があります。サバは鮮度による差が味に直結しやすいため、購入時のひと手間が仕上がりを大きく左右します。
サバの基本的な下処理とさばき方
サバを家庭で調理する際には、まず基本的な下処理が欠かせません。頭を落とし、内臓を傷つけないように取り除いたあと、腹の中を丁寧に洗い、血や汚れを残さないようにします。この工程を丁寧に行うことで、臭みを抑え、食べやすい仕上がりになります。
その後のさばき方としてよく用いられるのが三枚おろしです。骨を中心に身を左右に分ける方法で、焼き物や煮物、締めサバなど、さまざまな料理に展開しやすい形になります。「内臓処理と血の処理が味を左右する」という点を押さえておくのがポイントです。
サバの代表的な食べ方と料理
サバは調理法によって表情を大きく変える魚です。シンプルに焼くことで脂の旨みを楽しめる塩焼き、甘辛い味付けでごはんが進む味噌煮、酢で締めてさっぱりと仕上げる締めサバなど、家庭料理の定番として多くのレシピがあります。
また、揚げ物や干物にすることで保存性を高めたり、味わいを変化させたりすることも可能です。いずれの場合も、鮮度や下処理の丁寧さが仕上がりを左右する点は共通しています。サバは「手軽な魚」であると同時に、「扱い方で差が出る魚」でもあるのです。

サバをおいしく安全に楽しむために
サバは栄養価が高く、日常的に取り入れやすい魚ですが、その特性を理解したうえで扱うことが大切です。鮮度管理、下処理、加熱や冷凍といった基本を押さえることで、家庭でも安心して楽しむことができます。
近年では、流通や養殖技術の進歩によって、これまでとは異なる形でサバが提供されるようにもなってきました。サバの基本を知ることは、こうした新しい動きや選択肢を理解する土台にもなります。
参考文献
・藤原昌高(2010)『からだにおいしい 魚の便利帳』高橋書店
・西潟正人(2020)『改訂新版 日本産 魚料理大全』緑書房
・島津修(2018)『いちばんくわしい 魚のおろし方と料理』成美堂出版
お魚料理のオンラインレストランBon Quish(ボンキッシュ)のInstagramでは最新情報やお客さまからのご感想など随時更新しております。ぜひご覧ください!

まだボンキッシュの美味しさと楽しさをご存じない方はぜひこちらからご確認ください。
