Topics トピックス
鯛の種類と見分け方|マダイ・チダイ・キダイ・クロダイの違い

「鯛」と聞けば、日本人にとって特別な魚を思い浮かべる人が多いでしょう。祝いの席には欠かせず、“魚の王様”と呼ばれてきた存在です。しかし、実は「鯛」と名のつく魚はマダイだけではありません。チダイやキダイ、クロダイなど、姿や味わいに違いがある多くの仲間が存在します。本記事では、それぞれの特徴と見分け方を紹介していきます。
マダイ(真鯛)
堂々とした姿と赤みを帯びた体色から“魚の王様”と呼ばれるマダイ。春の産卵期に獲れる「桜鯛」は特に珍重され、身の締まりと上品な甘みが特徴です。刺身や塩焼き、煮付けなど、どんな料理にも対応できる万能さも魅力。古くから祝い膳に欠かせず、「めでたい」という言葉とも結びついて、日本の文化に深く根付いてきました。

チダイ(血鯛)
マダイとよく似ていますが、エラぶたの縁が鮮やかな赤色をしているのが大きな特徴です。この赤色が血を思わせるため「チダイ」と呼ばれるようになりました。旬は初夏から秋にかけてで、小ぶりながらも淡白でクセのない味わいを楽しめます。塩焼きや煮付け、唐揚げにするとその良さが引き立ちます。
キダイ(黄鯛)
体全体が黄色がかって見えるのがキダイ。別名「レンコダイ」とも呼ばれ、家庭の食卓でもよく登場する鯛です。旬は秋から冬。姿焼きにしても華やかで、煮付けや塩焼きにも向いています。大きさが手頃なため扱いやすく、日常的に親しまれているのも特徴です。
クロダイ(黒鯛)
黒っぽい体色が特徴のクロダイは、「チヌ」という呼び名でも親しまれています。旬は春と秋で、特に春の「乗っ込みチヌ」は脂がのって絶品。マダイよりも独特の香りがあるため、刺身よりは塩焼きや煮付けといった加熱料理に向いています。釣り人の間では人気のターゲットとしても知られています。
その他の鯛たち

鯛の仲間はまだまだ多彩です。銀白色の体を持つヘダイ、最近増えてきたといわれているキビレ、などタイ科のタイは国内13種です。また、「アマダイ」や「イトヨリダイ」など、実はタイ科ではないのに“鯛”の名を冠した魚も多く存在します。タイの人気にあやかりたい…ということで名づけられたもので通称『アヤカリタイ』と言われます。これらは見た目の美しさや縁起の良さから名付けられ、日本の食文化に彩りを添えてきました。
マダイ、チダイ、キダイ、クロダイ──似ているようで、それぞれに個性がある鯛たち。見分け方や特徴を知ることで、魚屋さんでの買い物や料理の楽しみが広がります。次回は、実際に鯛をさばくための手順を詳しくご紹介します。
参考文献
・藤原昌高(2010)『からだにおいしい 魚の便利帳』高橋書店
・西潟正人(2020)『改訂新版 日本産 魚料理大全』緑書房
・島津修(2018)『いちばんくわしい 魚のおろし方と料理』成美堂出版
お魚料理のオンラインレストランBon Quish(ボンキッシュ)のInstagramでは最新情報やお客さまからのご感想など随時更新しております。ぜひご覧ください!

まだボンキッシュの美味しさと楽しさをご存じない方はぜひこちらからご確認ください。
