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ブリってどんな魚?|日本人の生活文化に根付く魚

2025.10.01

ブリはアジ科に属する大型魚で、体長1mを超えるものも珍しくありません。日本では古くから「出世魚」として親しまれており、成長段階ごとに名前が変わることで有名です。脂がのった冬場は「寒ブリ」として、刺身やしゃぶしゃぶ、照り焼きなどで特に高い人気を誇ります。

出世魚としてのぶり

ブリの最大の特徴は、成長に応じて名前が変わることです。関東と関西では呼び名が異なるのも面白いポイント。たとえば関東では「ワカシ → イナダ → ワラサ → ブリ」と変化し、関西では「ツバス → ハマチ → メジロ → ブリ」となります。出世魚として縁起がよく、お祝いの席や正月料理には欠かせない魚です。

地域による呼び名の違い

さらに細かく見ると、地域ごとに多彩な呼び名が存在します。富山の「フクラギ」、島根の「イナダ」、九州北部の「ヤズ」など、全国各地でユニークな名前が残されています。これらの呼び名からも、ブリがいかに人々の生活に根づいてきたかがわかります。

出世魚ブリの地域別呼び名一覧

寒ブリと市場流通

冬に漁獲される「寒ブリ」は、脂がたっぷりのり、特に高級品として珍重されます。富山湾の「氷見ブリ」はブランド魚として全国的に知られ、産地証明タグ付きで流通することもあります。市場では一本10kgを超えるブリが並ぶこともあり、迫力満点です。

ブリと文化

ブリは祝いの席でふるまわれる「年取り魚」として、新年を迎える食卓に欠かせません。出世魚の性格から「立身出世」「商売繁盛」を祈る縁起物でもあります。地方によっては婚礼や節句のごちそうとして振る舞われることもあり、日本文化に深く根づいた魚といえるでしょう。


ブリは、大きさや味わいだけでなく、成長や地域によって名前が変わる“物語性”が魅力の魚です。寒ブリの季節には市場を彩り、家庭の祝いごとにも欠かせない存在として、日本人の食文化を支えてきました。知れば知るほど奥深いブリの世界に、ぜひ触れてみてください。

下記の記事ではブリのさばき方についてご紹介しています!参考になさってくださいね。

参考文献
・藤原昌高(2010)『からだにおいしい 魚の便利帳』高橋書店
・西潟正人(2020)『改訂新版 日本産 魚料理大全』緑書房
・島津修(2018)『いちばんくわしい 魚のおろし方と料理』成美堂出版


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