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ブリをさばく ― 大型魚を扱う醍醐味

2025.10.01

ブリは体長1mを超えることもある大型魚。家庭で丸ごと扱うことは少ないですが、三枚おろしの基本を学ぶには格好の素材です。頭やかま、あらの部分にも美味しさが詰まっており、余すことなく料理に活かせるのがブリの魅力です。

下処理

まずはウロコをしっかり取り、エラと内臓を丁寧に除去します。血合い部分は水で洗い流し、キッチンペーパーで水気を拭き取っておきましょう。ブリはサイズが大きいので、ここでの下処理を丁寧にすることが仕上がりに直結します。

三枚おろし

包丁を背骨に沿わせるようにして、背身・腹身をそれぞれ切り分けます。大きな魚ゆえに一度では刃が届かないこともあるため、包丁を少しずつ進めるのがコツです。切り離した身は、中骨に残った血合い骨を骨抜きで取り除きます。

切り身の引き方

三枚におろしたブリは、そのままでは大きすぎるため料理に合わせて切り分けます。

刺身用:皮を引いて柵取りにしたあと、厚めにまっすぐ切る「平作り」、または斜めに薄くそぐ「そぎ作り」で切り分けます。平作りは脂の旨みをしっかり味わえ、そぎ作りは口当たりが柔らかくなります。

照り焼き用:柵から3cmほどの厚みに切ると、火を通しても崩れにくく味がしっかり染み込みます。切ったあとは軽く塩を振って水分を出し、臭みを取ってから調理するのがおすすめです。

部位ごとの活用:背身はさっぱりして刺身やしゃぶしゃぶ向き、腹身は脂がのっているので照り焼きや煮付けに最適です。

かま・あらの活用

ブリの頭から胸びれの部分は「かま」と呼ばれ、脂がのっていて絶品です。また、骨やあらの部分も出汁や煮物に活用できます。特に「ぶり大根」は家庭料理の定番で、あらを煮込むことで旨味が大根に染み渡ります。

保存の工夫

三枚におろした身や切り身は、空気に触れないようラップや保存袋に入れて冷蔵庫へ。脂が多いため酸化しやすく、早めに使い切るのがおすすめです。冷凍する場合は、一切れずつ小分けにしておくと便利です。


ブリは大きな魚でさばくのに迫力がありますが、基本は鯛やスズキと同じ「三枚おろし」です。その後の切り身の引き方を知っておけば、刺身、照り焼き、煮付けなど料理に合わせて自在にアレンジできます。部位ごとに異なる美味しさがあり、家庭でもプロの味に近づけることができます。部位ごとの特徴を知っておくと、切り身を買う時にも役立ちますよ。

下記の記事ではブリの人気レシピを紹介していますので、参考になさってくださいね。

参考文献
・藤原昌高(2010)『からだにおいしい 魚の便利帳』高橋書店
・西潟正人(2020)『改訂新版 日本産 魚料理大全』緑書房
・島津修(2018)『いちばんくわしい 魚のおろし方と料理』成美堂出版


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