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ホタテの下処理・さばき方|失敗しない基本手順とコツをていねいに解説

2025.12.04

殻つきのホタテは旨みが濃く、刺身・バター焼き・フライなど幅広い料理に使える人気食材です。ただし、殻から取り出す工程や、ひも・卵巣などの下処理に少し手間があるため、最初はむずかしく感じる方も多いはず。

でも、実は基本の流れさえつかめばとてもシンプル。家庭でもスムーズに扱えるようになる「ホタテの正しい下処理方法」を、わかりやすく順を追って紹介します。

1.殻から身を取り出す

ホタテの殻は上下で形が異なり、ふくらんだ側が“下側”、平らな方が“上側”です。まずは上側の殻と貝柱のすき間に指かヘラを差し込み、殻を開いていきます。

殻に沿ってゆっくり動かしていくと、貝柱が外れて、ぱかっと殻が開きます。ここで力任せにこじ開けると身がちぎれたりするので、貝柱の位置を意識しながらていねいに進めるのがコツです。

貝柱が外れたら、殻の内側に残った身をそっと持ち上げ、全体を取り出します。

2.ひも・内臓・卵巣を分ける

殻から外したホタテには、貝柱のまわりに“ひも”、黒っぽい袋状の“内臓(ウロ)”、季節によっては大きな“卵巣(生殖巣)”がついています。

まず、包丁で内臓部分を切り離します。内臓は生食には向かず、雑味や砂が残りやすいので破らないように慎重に扱い、料理に使わない場合は処分します。

次に、卵巣がついている場合は貝柱から切り分けておきます。オレンジ色の卵巣は加熱料理に使うと濃厚な旨みが出るので、煮物や味噌焼きに相性抜群です。

3.ひもをきれいに洗う

ひもは下処理さえしっかりすれば刺身でも食べられるほどおいしい部位。塩水(濃度3%)の中で軽く揉み、ぬめりや汚れをていねいに落としていきます。

ぬめりが取れて水が澄んできたら、水気を切ってキッチンペーパーでしっかりと拭きます。このひと手間で臭みが抜け、コリコリとした食感が際立ちます。

4.貝柱を美しく仕上げる

貝柱のまわりには薄い膜がついていることがあります。包丁でそっと引くようにして膜を取り除くと、刺身で食べたときの口当たりが格段に良くなります。

そのまま加熱料理に使う場合も、この膜を取っておくと火の通りが均一になり、プリッとした弾力が残ります。

貝柱は砂が入りにくい部位なので、基本的には軽く洗って水気を拭くだけで準備完了です。

5.より美味しく仕上げるコツ

ホタテを下処理するときは、最後に必ず水気をしっかり取るのがポイントです。表面に水分が残ったままだと、ソテーしたときに香ばしさが出にくく、焼き色もつきづらくなります。

また、ひもや卵巣を刺身で味わいたい場合は、洗ったあとすぐに冷蔵庫で冷やし、できるだけ早く食べることで鮮度のよさを保てます。

下処理の流れをつかめば、ホタテはもっと身近になる

最初は複雑に感じるホタテの下処理も、一度流れを覚えてしまえば驚くほど簡単です。大ぶりの貝柱はもちろん、ひもや卵巣などの副産物までしっかり味わえるようになり、買ったホタテを余すことなく堪能できます。

家庭の定番料理としてバリエーションも広がるので、ぜひ気軽に挑戦してみてくださいね。


参考文献
・藤原昌高(2010)『からだにおいしい 魚の便利帳』高橋書店
・西潟正人(2020)『改訂新版 日本産 魚料理大全』緑書房
・島津修(2018)『いちばんくわしい 魚のおろし方と料理』成美堂出版


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